相手の可能性を引き出す指導法
コーチングとは
コーチングとは、相手の可能性を引き出し、その人の自主的な前進をサポートするコミュニケーションです。
Coach=馬車で「目的地まで送り届ける」という意味からコーチングとなりました。
コーチングはなぜ必要か?
ティーチングのみで相手を高いレベルまで育てることは不可能だからです。
そこで”自分の頭で考えさせ、実行させる“コーチングという指導法が必要なのです。
コーチングのメリット
- 相手に、自分で考える習慣を定着させることができる。
- リーダーに必要な指導スキルを身につけることができる。
- どんな場でも友好な人間関係を構築することができる。
人生を幸せに生きていく上で、コーチングは必須なスキルです。
コーチングの基本スキル
前提としてコミュニケーションの2つの機能を整理する必要があります。
- 情報の伝達、共有
- 「思い」の伝達、共有
これらの機能により、相互理解の増進と信頼関係の構築が行われます。
傾聴のスキル
相手の「聞く耳」を開くこと、相手に「敵では無い」と思わせることです。
- 相手が話しやすい環境づくり…直角型または八の字型に座る
- アイコンタクト…相手の目を見ながら話を聞く
- 頷き・あいずち・促しの3点セット…促しの例「それで?」「それから?」「もっと聞かせて」
- 確認…話を全て聴き終わったら「君の言いたいことはつまり〜ということだよね?」
- 受容…自分とは異なる考え方でも、否定せずに一旦受け入れる
- 質問や提案…話を聴き終わった後で、相手の同意を得た上で質問・提案という形で提起する
- 評価的発言「君の見方は、視野が狭いし、どうも一面的だよね。」
- 説教「だからさあ、もっとこうした方が良いといったじゃ無いか。俺が若い頃は…」
- 否定・遮断「そんなことが聴きたいわけじゃ無い。やれる方法を考えろ!」
承認のスキル
相手の良いところを認め、伝える(≒褒める)ことです。
承認することのメリットは以下の通りです。
- 認められることで嬉しくなり、気分が前向きになる
- やる気とエネルギーが増す
- 承認してくれた人への信頼感が深まる
- 事実を
- タイミングよく
- 心を込めて
承認の伝え方
「Youメッセージ」と「Iメッセージ」の2種類あります。
You「あなたは性格で丁寧な仕事をしますね」
I「正確で丁寧な仕事をしてくれるので、私は安心して任せられる」
IメッセージはYouメッセージに比べて「自分の良いところが他者にプラスの影響を与えている」ことにより自分の価値がより大きく感じられます。
3種類の承認
- 存在承認
- 結果承認
- 事実承認
①存在承認≠褒める
「挨拶」と「日常の声かけ」により相手の存在そのものを認めます。
声かけには必ず応える、自分から挨拶する
※相手の「名前」も呼ぶとさらに効果的です。人間は自分の名前ほど嬉しい響きはないものです。
②結果承認=褒める
「良い事」は必ず褒めてください。
どんな些細な良いことでも構いません。
ゴミを拾っているところを見た
アポが取れた
いつもより早く仕事を終えた
③事実承認≒褒める
結果に至るプロセスや、日常の言動・習慣などを認める。
「自分をここまで見てくれているのか」という喜びと感動を与えること、「先輩はちゃんと見てくれている」という安心感を相手に与えることができます。
質問のスキル
コーチングの中核となるスキルです。
適切な問いかけによって、相手の中にある「答え」を引き出します。
質問のパワーで、より深く、あるいは別の角度から、相手に考えさせる力を持ちます。
質問の種類3選
①「限定質問」⇔「拡大質問」
「お住いは北海道ですか?」(限定)⇔「あなたはこの職場がどうなれば良いと思っていますか?」(拡大)
②「否定質問」⇔「肯定質問」
「なぜできないんだ?」(否定)⇔「どうすればできると思う?」(肯定)
③「過去質問」⇔「未来質問」
「なぜこんなことになったんだ?」(過去)⇔「こんなことにならないためには今後どうしたら良いかな?」(未来)
- 「批判」「否定」の代わりに質問をする
- まず答えやすい質問から行う
- 「詰問」にならないようにする
まとめ
今回はコーチングについてご紹介いたしました。
人に教えることは人生のどの段階でも必要なスキルです。
この機会に学んで、人生を豊かなものにしていきましょう。
いま何を選択して、どこに意識を集中させますか?
利根川進(物理学者)